日経サイエンス 2009年 10月号 [雑誌]

日経サイエンス 2009年 10月号 [雑誌]

「存在確率マイナス1」

「負の確率」というのは,何かが負の数だけある,というのと同じで,意味をなさない。光子の数がマイナスなのではなく,物理的な特性がすべて逆になった光子が正の数だけ存在する,と見るべきだ。
  Y.アラフノフ

だが実は,経路にある光子の数も量子的にゆらいでいる。この数のゆらぎと測定器の針の位置のゆらぎに相関があると,話は変わってくる。実験ではある特定の方向に出てきた光子だけを選び,その光子が干渉計の中で通ってきた経路を測定している。この事後選択が弱い測定に何らかの影響を及ぼし,1方向に振れた誤差だけが拡大されている可能性は否定できない。それが,マイナスという,本来あり得ない測定値をもたらしたと考えられる。
  井元信之/横田一

何だかわからないけど、不思議な事もあるものだ…。