若干16歳で実母を惨殺、少年院出所6年後には見ず知らずの姉妹を犯して殺して焼いた極悪殺人鬼・山地悠紀夫(処刑済)

の半生を描くルポタージュ。

死刑でいいです --- 孤立が生んだ二つの殺人
死刑でいいです --- 孤立が生んだ二つの殺人池谷孝司(編著)、真下周(著)、佐藤秀峰(イラスト) .

おすすめ平均
stars目から鱗
stars発達障害と犯罪
starsハイ喜んで!
stars死刑の難しさ
stars世間の「理解」を超えた殺人事件を「理解」するための本

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裁判での精神鑑定では否定さているんだけど、筆者は「山地悠紀夫が広汎性発達障害」だった、ということにしたいらしく苦労の跡が伺える。というかぼーっと読んでるとうっかり「ああ、山地悠紀夫はアスペルガー症候群だったんだな」と思わされてしまう印象操作の叙述トリック恐るべし。最終章なんか「この手の犯罪を防ぐにはどうしたらよいのか?」の文脈で「発達障害をもつ大人の会」を紹介する念の入れよう。いやいやそれ裁判所の精神鑑定が正しかったら彼奴には意味無いし。レッサーパンダ帽の殺人浮浪者の時も裁判では否定されてるのに「自閉症」って事にしたがったり、どうもライターは結論ありきだな。。それと姉妹を刺した後に強姦しているのをボカしてるのも気になるね。いや「快楽殺人ではない」という本書の方向性からそうしたい気持ちは判らんでもないけど、姉をナイフで胸を刺してから強姦、帰宅した妹も同じく刺してから倒れてる姉の横で強姦。彼は殺人鬼でもあるけれどう強姦魔でもあることを忘れてはならぬ。

罪状 住居侵入、強盗殺人、強盗強姦、鉄砲刀剣類所持等取締法違反、建造物侵入、非現住建造物等放火

http://blog.livedoor.jp/yoshitaka1215/archives/1505287.html

「反省よりも再犯を防ぐべき」が本書の主張。ごもっとも。ちなみに福祉大国と名高い北欧はスウェーデンにおいては

精神鑑定でアスペルガー症候群だとわかると必ず専門機関にいれるそうだ

だとか。やっぱ異常者の防犯は予備拘束だよな。健常者相手だと、例えば厳罰化等で犯行への敷居を上げれば思い留まることが期待できるけど「母親を殺した時の感覚が忘れられず、人の血をみたくなった。誰でもいいから殺そうと思った」「死刑でいいです」のタイプには通用しなさそうだし。福祉が支援がと言っても拘束が伴わない限り“生来反省する機能の無い人の皮を被ったミュータントモンスター”に通じ無いのは、本書中にて描かれる、意外に多い彼を気に掛けて面倒見てた人に対するその後の彼の態度で明らか。
ところで

山地と親しかったゴト師によると、大当たりはボタンを押して絵柄を止めた段階ではなくレバーを叩いてドラムが回り始めた時点で既に決まっているという

うーむ、そうなのか。