上記の団体代表が、団体結成する切欠になった本。
読んで固く信じちゃった患者が出たとのことで、統合失調症の治療の妨げになる精神障害者保護団体よりクレームがついたとか。んでクレームに対しては

被害者は現在こういう事実に対し、絶えず捨て身で立ち向かわなければならないというのが実情です。

…う、うーむ…。捨て身で立ち向かわれる方の身にもなれよ…。
まず、表紙を捲ると飲み残しのお茶の入った写真の写ったカラー口絵が目に飛び込んでくる「2008年3月10日(月)。自宅職場にて強力な電磁波?によると思われる力により変形したお茶の葉の粉」湯飲みの底に沈殿したお茶の粉が左右に均等に分かれている様子は、電磁波攻撃の証、だそうな。
その裏のカラー写真は、筆者とは別の患者被害者の蒙った電波攻撃の記録絵。白紙に鉛筆で几帳面に升目を引いてその中を埋め尽くすように色鉛筆でビッチリと描かれた被害イラストはまさしくアール・ブリュット
ただテクノロジー犯罪被害者による被害報告集―遠隔技術悪用を告発する33名の被害者自身による被害実態報告と違って文章は落ち着いている。
1章は馬鹿みたいな陰謀論、4章は脳内ストーカーとの闘いというか一人相撲を綴った電波ブログの転載なんだけど、2章「実態報告」と3章「被害の経緯」は、判りやすいイラストと相俟って「ああ、狂人はこんなモノを感じてるのかー」ということがとてもよく伝わってくる名(?)著だったり。著者は、気が狂っているけれど頭は悪くない。

早すぎる?おはなし―テクノロジー犯罪被害者による被害報告日誌早すぎる?おはなし―テクノロジー犯罪被害者による被害報告日誌
内山治樹

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