意識は会話のための器官。
(略)
私たちの意識はこの会話言語の発達に伴って進化してきたようである。
(略)
まず確認できることは、会話の多くの部分が意識的な活動であるという事実だ
(略)
そして、多くの内臓の挙動が無意識下に行われるにもかかわらず、呼吸については意識的な介入が可能である
(略)
無意識が世界に広がり、大量の情報を感知するのに対して、意識にのぼる情報は限られている
(略)
人間が単位時間あたりにしゃべれる単語は非常に限定されているので、会話をする意識は情報を制限して働いているのである。
(略)
こうして言葉をしゃべる担当の心の部分が社会的な特権を持つようになった。無意識が持つ大量の情報を感知していないにもかかわらず、意識が私たちを代表しているのである。
(略)
かくして私たちは、意識する部分が自分であるような思いを持つようになった。

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石川 幹人

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