フェミニストの筆者達が「バックラッシャー」数名に取材する話。「どんな恐ろしい人かとこわごわ会ってみたら話の分かる善人だった」というパターンが多いが、福井の近藤氏だけはコミュ障っぽい感じ。あと千葉の千葉氏も印象は普通と書いてあるが、本書中の発言を読むとやっぱ陰謀論電波入ってるな
 さて「バックラッシャー(反動家)」とは…今を去る事10年前、迫る人口減に対応し国民総従業員体制構築を目論む日本政府上層部は男女共同参画計画基本法を制定。合わせて各地方自治体に条例制定の指令が下ったものの各地で草の根反対市民運動が起こる。この市民運動を行った思想的レジスタンス達に、中央政府と結託した体制迎合アカデミックフェミニストおよび中央の息の掛かった活動家が名付けた蔑称である。ちょうど「バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?が書かれた頃の話だな。
 この思想統制計画推進に際し、中央政府の官吏は漢字熟語は硬く生々しいイメージがあり民衆の反発を招くと考えこれを嫌い、浮浪者をホームレスと呼び変えたと同様、男女平等ではなくジェンダー・フリーをキャッチフレーズにしたものの、これが本場アメリカの言葉とは微妙に意味の異なる誤訳だったそうで、バックラッシャーから突っ込まれたりフェミニスト内部でも悶着があって2006年には使わないようにと内閣府から通達があり死語に。
 フェミニストが推す政策への反対の理由をこれまで誰も詳しく調査・報道せず皆「無学な田吾作がジェンダーという概念に反対しているのだろう」と空想して反論*1していたが、実は中央政府から降りてくるモデル条例や、議員の関与の薄い審議会方式への反発だったり、年間予算5億9千万円うち人件費2億3千万円、役員報酬1千4百万円なのにメイン事業の大半は外部委託しており職員が一体何をしているかが不明な天下り用無駄遣い施設ヌエックを始めとする各地の男女共同参画センターの税金無駄遣いへの反対だったり様々でそれなりの説得力を持っており、またそもそも議員は票になりにくい女性問題に余り関心が無くジェンダー概念に反発云々は虚像だったと。
 フェミニスト的には日本会議と並び悪の枢軸である筈の統一教会世界日報記者が地域の男女共同参画推進委員やって、問題に詳しいリーダーとして活躍してたりちょっと面白かった。
 なお、本書の筆者の一人であるフェミニスト、荻上チキ氏はその後、既婚者でありながら愛人の存在が発覚し、ほぼ一夫多妻のような生活であることが判明している

社会運動の戸惑い: フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動社会運動の戸惑い: フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動
山口智美 斉藤正美 荻上チキ

勁草書房 2012-10-31
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