"25年間迷子だった男が、Google Earthで起こした奇跡とは―?"という映画。
 私単身ならまず見に行かないというか存在すら感知しないような映画だがまぁそこそこ面白かった。
 主人公、インドの田舎の幼児サルーが列車に無賃乗車して眠りこけ兄とはぐれ迷子になり身元が分からないまま浮浪児として捕まり紆余曲折を経てなんと海の向こうのオーストラリアに養子に出されてしまう。
 そこから母を訪ねて三千里の冒険の旅だ。ワニに大蛇に虎に熊、次々猛獣に襲われつつ世界中を放浪し25年をかけ徒歩で故郷にたどり着くがそこに嘗ての平和な村はなく凶悪野盗の支配する無法地帯と化していた、ヒャッハー!過酷な奴隷生活に父は既に死に母は病に伏している。折しも今宵の生贄はサルーの生き別れの妹だ。おのれ悪党ども!父よ母よ妹よ!風のうなりに血が叫び、今や逞しく成長した野生青年サルー怒りのジャングル殺法が荒れ狂う!牙が光るぞ歯には歯を。爪が唸るぞ目には目を。蛮刀を構えて押し寄せる悪漢百人を相手に千切っては投げ千切っては投げ。だがボスの用心棒、謎の仮面拳士の邪黒カラテの技にサルーの剛腕は通用しなかった。無残に半殺しにされるサルー。腕力だけでは邪黒カラテには勝てないのか…追い詰められたサルーは遂にその両腕の包帯を解き封印を破る。今こそ轟け雷音拳!雷音拳とは獅子の動きを取り入れた一子相伝、無敵の形意拳である(映画のタイトルの由来)。その拳は雷より速く、蹴りは嵐を呼ぶという。サルーは放浪中、チベット奥地の洞窟で死期迫る老師ケサルよりその奥義を託されたのだ。雷音パンチを受けてみろ!雷音キックを受けてみろ!チンだボディーだ、ボディーだチンだ!止めだ!必殺!雷音きりもみシュート!仮面拳士を圧倒するサルー。だがその時!物陰からサルーの背を狙うボスの卑劣なマシンガンが火を吹いた!
 ラスト、一旦は悪に墜ちるも最期に人の心を取り戻しサルーを庇った仮面の兄・クドゥーが親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいくシーンは涙無しには見られなかった。
 んで、なんとこれは実話なのだとか。エンディングの最後ではユニセフが「年間〇〇人の子供が行方不明に云々」と寄付を募っていた。まったくインドは恐ろしい所だ