グールド氏、また負けてしまったのか…(一応ラストは折衷です)。
進化は漸進的か断続的か、淘汰が作用するのは遺伝子か個体か、外挿主義主義は有効か、が主な争点っぽい。
科学者の態度としてはドーキンスの方がポパーっぽい伝統的正統派多数派でグールドの方がポモ入ってる異端というか斬新な態度なんだけど、人文的には身も蓋も無い無頓着ドーキンスに対しグールドは政治的に正しい人道派と、逆(?)になるのがちょっと面白い。
原著者はドーキンスに近い感じだが、訳者はあとがきでグールド贔屓を告白している。
私はどっちが偉いのかもわからんのでとりあえず業績を見る…リチャード・ドーキンススティーヴン・ジェイ・グールド…圧倒的ではないか、ドーキンスの方が。財団まで作ってるし。つかグールドって学者的には割と雑魚じゃね?

 だからこそ、科学の応用全般と、とりわけ進化生物学の人間への応用が、ドーキンスとグールドの鋭い対立点の一つになる。()ドーキンスは明らかに、社会行動の進化理論を人間へ応用することには、実践的にも原理的にも何の問題もないと考えている。
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 もちろんグールドも、われわれが進化によって生じた種であることは認めている。だが、現在の進化思想の中でグールドが好まない要素のすべてが、社会生物学およびその子孫である進化心理学としてまとめ上げられている。その結果、ここ20年の間、人間行動の進化理論に対する容赦ない批判キャンペーンが繰り広げられてきた。グールドは社会心理学憎んでいる
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 なによりもグールドは、社会生物学のような考え方は間違っているだけでなく、危険であり、不純な動機にもどついているとみなしているのではないだろうか。社会生物学者たちには傲慢さが垣間見え、科学を本来の領域の外にまで不用意に拡大しようとする気配があるというのだ。ドーキンスはそれには同意しない。彼にとって、人間行動の進化的な基盤に関する知識は、危険なものではなく、われわれを解放してくれる可能性を秘めたものである。

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