遠未来、ナノテクが極限に達しみんなソフトウェア化も実体化も自由自在、不老不死の神のごとき存在となった地球人の末裔の話。どこぞの学者が時空の構造を見極める実験をしたら、真空崩壊。新真空の泡は光速の1/2の速度で膨張を始め幾多の惑星を飲み込み続けて宇宙の危機。なんだけど、新真空を壊すべし派と、新真空に我が宇宙の時空を譲るべき派が対立していてさぁどうするという話。
 え?そこを論点に対立するか?譲るって有り得なくね?という感じだけど、遠い未来の神のごとき人類は超博愛主義者でな。途中、ある惑星に植民してだいぶ経った頃にその惑星生まれの主人公が偶然、現住単細胞生物を見つけてしまったものだから、保護と不干渉のため住民全員立ち退く事になってもの悲しかった回想が挟まって、うむ、話は読めた。どうせアレだろ、新真空中に生き物が見つかるんだろ?つか知的生命体も居るんだろ?寧ろ今の真空より住み心地良いんだろ?と皆さんこの時点で思うだろうけど、だいたいあってる。
 しかしこんな未来の話にまで、男女の仲たがいと和解を絡めて、ベッドシーン入れなくても…。
 ちなみにウーマンリブの元祖にして旗手であったマーガレット・ミードの名著「サモアの思春期」があろうことか、ズサンな現地調査にもとづいた一種の楽園物語だった件は「ミードする」と2万年未来でもネタにされてるのねw

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