タイトルにも関わらず「ガンメタル・ゴースト」という人物も怪物も出てこない。結局「ガンダムシード」というモビルス―ツが登場しなかった例のアニメのようだ。
ちなみに原題は"ACK-ACK MACAQUE"。本文中では「高射砲マカーク」と表記されている。となると「ガンメタル・ゴースト」という外来語タイトルは一体何処から出て来たのだ…。
内容は、英仏が1956年に統一された歴史を持つ2056年の世界を舞台に、人格を機械に移す技術を巡る陰謀に巻き込まれた、猿、サイボーグ、皇太子、スーパーハカーが悪党共と戦う話だが、意識の機械転写についてはグレッグ・イーガンみたいな過激派と違い
「どこかでロボットがきみのことを覚えているからって、それは本当のきみが死なないということにはならない」
と一刀両断の穏健派。
ちょっと悪者たちの動機と手段が納得行かないが、まぁ、話がサクサク進んだので良し。表紙はちょっと如何なものか。
ちなみに私事になるが、この本、図書館で借りたんだけど一時失くしてしまい、仕方ないので買って返すように購入したところ、その日のうちに失せものが出て来た。いや、こうなるような気はしてたんだ…。まぁ新刊1冊を生贄に召喚したのだ…。