ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)の便乗本かと思いきや、こっちの方が1年早いのね。
主張に沿ってあちこち取材して素材を集めてまとめる、まぁ如何にもTV局の人っぽい作りの本だった。

バカな悪人も訓練で利口、引いては善人になる感じを醸し出し、読後感を良くするために記載されているであろう「コグトレ」。幼稚園児のお遊戯のごとき「脳トレ」の類で馬鹿が利口になるのかいな?とも思うんだが、受験でも偏差値50から70に上げるのは超大変だが、偏差値30を50にするのはそこまででもない事に鑑みると、あり得る…のかしら。
なお脳トレは詐欺な模様

30年間にわたって、大阪家庭裁判所で調査官として5000件を超える少年犯罪を担当し、少年の非行と向き合ってきた藤川洋子さんは()「脳内の繋がりがうまくいかないなどの生物学的かつ医学的要素が原因で起きる事件は昔からありました。そんな子どもは、処罰だけでは矯正できないのです
2003年に精神科医の杉山登志郎さんが発表した論文「高機能性広範性発達障害者にみられる行為障害と犯罪」では()自閉症スペクトラムの治療を受けている少年の方が約12倍高い計算になる。
杉山医師は()児童自立支援施設でも調査を行った()自閉症スペクトラム障害もしくは、注意欠陥多動性障害のどちらかが疑われる子どもが、81%もいたのである。これは単年で行われた調査ではなく、杉山医師が2010年以降、長年にわたって行われたものである