ユワッシャーッ!!
…ではなく、コタール症候群、認知症、身体完全同一性障害(BIID)、統合失調症、離人症、自閉症、自己像幻視、恍惚てんかん、等々奇妙な精神病の話。

”自己主体感は予測する脳の産物だ。予測が上手くいかないと真に迫った情動を感じられず、自分が他人に思える離人症性障害になることも分かった。さらに次章で触れるが、自己を形作る他の特性もまた、予測装置としての脳で説明できる可能性がある。こうなると自己も視覚などと同列になり、自己を一段上に位置付けていたこれまでの学説が、空気が抜けた風船のように勢いがしぼんでいく。ホーウィはこう話す「[自己]の概念にデフレが起きているんです。自己と言ったって、特別な何かがあるわけじゃない。感覚情報の原因の一つだという訳です」”

とか言いつつ、筆者は日和り各方面に気を使って本書は以下の記載が。

”この注意書きは、この本税隊を通じて胸に留めておいてほしい。神経科学、特に障害の研究は神経生物学の方向に単純化させ、脳と精神の関係を一方通行でとらえようとする傾向がある。脳は精神活動を左右するが、その逆はないというわけだ”

いやそりゃそうだろう…というか脳の活動に左右されないどころか脳に影響を与える精神ってなんだ、心霊現象か。

やはり人間の意識は相当、脳をはじめとし内臓や四肢の人体の物理構造、各専門部位の精妙な連携に依存した儚いもので、近い将来「コンピュータ内に意識を移殖…」なんてSFは、人語を話す土星人や金星人が登場する話と同様、古き良き荒唐無稽な話に格下げだろうなぁ。

ちなみに巻末に精神病院の医者の人が解説を書いていて、どうも表題に使われているBIIDはまだ単体の病気とは扱われておらず変態の一種扱いらしい。