絵柄は小学生の落書きみたいなんだけどコマ割りや構図が良いのか、漫画としては読み易くて状況は頭にスルスルと入ってくる。これは相当な手練れが敢えてヘタウマ絵柄にしているに違いない…室内の俯瞰からも逃げないしメタルラックなど3Dを元に他に合わせて敢えてへにょへにょにしているし「こういう絵にするんだ」という意志を感じる。ペンネームが風変りだけどこれは多分仇名からだな、小泉邦子とかそんな感じの。それにしてももうちょっとウマに振っても良かったのでは感。
筆者はバンドリが好きとのことで作中にもしばしば似顔絵が出て来てその時の絵は結構上手い…ロックというとあの、銭湯の二階に住んでいる2期の主人公的なJK…。あいつがポピパに入って、おたえがRASに行くと八方すんなり丸く収まった感があるけれどそれではドラマにならぬ人…。
各章末に何故か昭和大学医学部教授による、凄く書かされた感のある解説が挟まっているけどコレ要るのかしら。と思いつつ、旗の台だからこの先生、割と近所の人の筈。
統合失調症というと神戸5人殺傷事件の極悪殺人鬼竹島叶実被告とか、京アニ放火事件の極悪放火魔青葉真司被告のごとく、訳が分からなくなって全裸で包丁持って暴れるイメージがあるが、作中でも措置入院させられる時に暴れて、全裸になって、その後包丁で切腹しようとしていたのでまぁだいたいあってる。
しかし2011年の「ボクには世界がこう見えていた―統合失調症闘病記―(新潮文庫)」の早稲田のアニ同の人の手記の頃は解説に「統合失調症の人は大概訳が判らなくなるんでこういう分かり易い筋の通った文章は大変珍しく貴重だ」みたいな事が掛かれていたが、この筆者など漫画は達者だし社会復帰しているので最近の医学薬学の進歩は長足よの。